| 暗黒童話 |
2007-11-02 Fri 23:00 |
![]() | 暗黒童話 (集英社文庫) 乙一 (2004/05/20) 集英社 この商品の詳細を見る |
乙一が,長編を書くために書いた長編。
あいかわらず,暗くて奇妙な物語である。
主人公はある女子高生。
彼女は,片目を失ったショックで記憶喪失になってしまったため,とりあえず目を移植することに。しかし,移植した目は,以前の持ち主が見たものを映し出し始め,彼女はそれをきっかけに,ある誘拐犯を探すことを決意する。
この小説は,構成が非常におもしろく,そのことが謎解きにも関わっている。さすが乙一といったところか。
正直なところ,途中で犯人がわかったと思った。かなり自信もあった。しかし,それは乙一が巧妙に仕掛けた罠にはまっただけであった。マジ悔しい…
次こそは,彼の思考を上回り,トリックを見破りたいものだ。
ちなみに,この小説はあとがきがあり,オツイチの言葉を読むことができる。思ったとおり変なやつだ。
| 天帝妖狐 |
2007-10-30 Tue 16:18 |
![]() | 天帝妖狐 (集英社文庫) 乙一 (2001/07) 集英社 この商品の詳細を見る |
乙一の2作目。
タイトルの作品に加えて,「A MASKED BALL−及びトイレのタバコさんの出現と消失−」という作品も収録されている。自分としては,後者の方が好きかな。
前者は,乙一らしい暗くて不気味な物語である。
この作品のおもしろいところは,物語が「夜木」の手紙と「杏子」の視点の二方向から描かれている点だ。
徐々に明かされていく事実も興味深い。
「A MASKED BALL」は,高校生のトイレの壁に,まるでインターネットの掲示板に書き込むように落書きすることでコミュニケーションを行うという不思議な物語である。
かなり用心して,丁寧に読んだつもりだったのだが,「なるほど〜」と思わされた箇所があった。さすがやね。
さぁ次はどれ読もうかな〜
| エミリー |
2007-10-30 Tue 14:04 |
![]() | エミリー (集英社文庫) 嶽本 野ばら (2005/05/20) 集英社 この商品の詳細を見る |
2冊目の嶽本野ばら。
前回読んだ『鱗姫』も衝撃的だったが,今回も負けず劣らずやらかしていた。とはいえ,2作目ということもあってか,前回よりも抵抗なく読めた気がする。
この本には,「レディメイド」,「コルセット」,そして「エミリー」という3作品が収録されている。
「エミリー」はもちろんよいのだが,個人的には,「コルセット」もお勧めである。この作品における主人公の男性は,とてもおしゃれでかっこよく,何だか憧れてしまう。加えて,博識で,「自分」を持っている。
やはり,「自分」を持っている人というのは魅力的なのだろう。また,概してそのような人は,様々なものごとについて考え,自分なりの意見を持っている。
人から魅力的だと思われる人間になりたいものだ。
村上春樹もそうなのだが,嶽本作品は,主人公の一人称で物語が語られており,彼らの世界観だけでなく,その口調も非常に独特である。
実は結構嫌いじゃない。
(だからと言って,決して性的にアブノーマルというわけではないのであしからず。)
嶽本野ばら,もうちょい読んでみようかな。
10/31(水)の報道。
このような作風の人だからこそ,薬に頼って欲しくないなぁ。(本人は作品への影響を否定しているんだけどね。)
これを機に,よい方向へと向かって欲しいものだ。
「ファン裏切り自分でも許せない」声震わせる「乙女のカリスマ」
「ファンを裏切ったことが自分でも許せない」−。その声は“乙女”のようにか細かった。大麻取締法違反の罪に問われ、31日に東京地裁で有罪判決を受けた作家、嶽本野ばら被告(39)=本名・嶽本稔明。「下妻物語」など10代の少女らを主人公にした作風で若者の支持を集めた「乙女のカリスマ」は、法廷で声を震わせながら自己批判を繰り返した。
この日の嶽本被告は、黒スーツに白シャツにネクタイ姿。かかとの高い革靴に耳にはピアスを数本と、中世ヨーロッパ風の黒ずくめの「ゴスロリ」(ゴシックロリータ)風スタイルはそのままだ。
「(職業は)作家です」。裁判長に職業を問われ、こう答えた。9月2日の逮捕から約1カ月後に保釈され、現在は作家活動を再開している。
「ぼーっとして気持ちがいい」「音楽がよりきれいに聞こえる」。冒頭陳述などで、大麻に手を染めた経緯を明らかにしていく検察官の言葉を、か細い体を折り曲げて聞き入る嶽本被告。母親や出版社の担当者が証言台に立つと目頭を押さえるしぐさも。
被告人質問でも、うつむいたままの嶽本被告。言葉少なにゆっくりとした口調で答えた。
弁護人「大麻に手を出したのはなぜ」
被告「好奇心から」
弁護人「ファンの信頼を取り戻すには」
被告「作品を通じて、薬物の害悪について語りかけたい」
検察官「大麻の効き目が残ったままで執筆したことは」
被告「ありません」
これまでに残した作品が大麻に影響されていたのではという指摘は、きっぱりと否定した。
最終意見陳述では、声を震わせながら、ファンへの謝罪を口にした。「バカなことをしたと反省している。何よりもファンを裏切ったことが自分で本当に許せない」
判決で、小坂裁判長が「あなたには文筆家としての才能が残っている。薬物の害悪を伝える作品をぜひ読んでみたい」と語りかけると、小さくうなずいた。
(産経新聞)
| 4TEEN |
2007-10-22 Mon 12:02 |
![]() | 4TEEN (新潮文庫) 石田 衣良 (2005/11/26) 新潮社 この商品の詳細を見る |
久しぶりに石田衣良を読んでみた。
直木賞を受賞した作品らしい。
この作品は,14歳の少年4人が,さまざまな経験を経て成長していく物語である。(こんな陳腐な言葉でまとめたくはないんだが)
8つの短編形式をとっており,非常に読みやすい。
この作品に出てくる4人の少年たちは,俺からすると,とても14歳とは思えず,高校2年生くらいの印象を持った。また,少年が主人公の作品にありがちな設定(肉体派と頭脳派など)で,なんだか懐かしく感じた。
この少年たちに共通するものとして,「行動力」とその行動を可能にする「勇気」が挙げられると思う。
やっぱ,やるときゃやるってのがかっこいいね。
4人の中だったら,自分はテツローかなぁ。
| 失はれる物語 |
2007-10-22 Mon 11:40 |
![]() | 失はれる物語 (角川文庫) 乙一 (2006/06) 角川書店 この商品の詳細を見る |
最近はまっている乙一の短編集。
7つの短編から構成されており,乙一にしては長めな話が多い気がする。(極端に短いものもあるが)
全体として感じたことは,これまで読んできた乙一の小説と少し雰囲気が違うということ。
「夏と花火と私の死体」や「ZOO」などは,サスペンス色が強く,乙一独特の暗さが強調されていたのだが,この本の短編では,切なさのようなものが加わっており,新たな一面を見たような気がする。
心に残った作品としては,
「失はれる物語」
「傷」
「しあわせは子猫のかたち」
あたりかな。
超短編の2作品も息抜きになってよかったけどね。
この本の中で特に衝撃だったのは「失はれる物語」。
心から恐ろしいと感じた。
やはり,乙一の視点は素晴らしいなぁ。




